2016年9月11日日曜日

ストーリー3 畑の住人


  道中、獣たちを遠目から見かけたが、村の大人たちの話し通りイラだったり、いそいそとしているものたちが多いい・・・。
 街道のわきには、傭兵くずれだろうか? 痛んだ鎧をまとっているが、中身のほうはすでに干からびかけている。
 20数年まえにあった大きな戦いのころは、彼らにとっても景気がよかったはずだが、いまでは他種族間同士の小競り合いも少なくなり、世間の需要は金儲けと権力へと執拗に向きをかえている。
 

 ポチは、獣たちが近くにいそうなときは鼻をひくつかせてマーシュに知らせた。マーシュもそれにいち早く気づいて草むらに身を低くして隠れ、あたりを警戒する。
 風が草原をそよそよと吹くが、こんなときは冷や汗をいっそう冷たくした。
 ポチが一緒だとはいっても、野生の獣たちが数匹でも群れでいたら、戦いの心得のない子供1人とでは非常に危険きわまる。
 幸い、子供とくゆうの勘の良さと息を殺すうまさもあって、なにものにも出くわさず鉱山の入口が見えるところまで無事やってこれた。

 このまえ来てから、ふたつきほどたっている。
 鉱山の黒い大きな穴から冷たい風があふれてマーシュとポチの顔にさわさわとあたる。まずは、喉も乾いたし、1人と1匹はスタスタと穴の奥へと入っていった。
 入って間もなく歩くとすぐに視界が暗がりにせばまっていく。・・・と、まだ暗さに目の慣れないマーシュの前に、ポチがひと声鳴いた。
 それに答えて、奥から声がかえってくる。
 「・・・よ~坊主。今日は犬っころと来たんだな。」
 暗がりだが、ほんのり明るく感じるようになると、傭兵をしている若い男が陽気に2人に返事をしてくれたことがわかった。
 そういえば、こんな声だったよね。と、マーシュはすぐに思い返していた。


 ジャリの道を歩いているとまわりの音が聞こえにくい。道の脇には、鉱山の奥で採掘された鉄鉱石が詰められた袋がたくさん積まれている。
 休息所のある広間への大きな木の扉をちからいっぱい押し開ける。若い傭兵の男に、「やるな~! 今日は自分だけで開けれたじゃないか。」と褒められた。
 休息所のさらに奥にあるテーブルには、炭鉱長のおじいさんがまえに来たときと同じ席にすわっていて、なにやら用紙をマジマジと見据えながら思いにふけっていた。
 「おじいさん、どうしたの?」
 おもむろに子供の声で話しかけられた炭鉱長は、ハッとしてテーブルのわきにたたずむ子供と犬に顔をむける。
 「おいおい、マーシュじゃないか。・・・いくら番犬つきでも危ないぞ!」
 心配も強かったが、うれしさも多かった表情でマーシュの顔をのぞきこんでくる。
 「いまは、ほんとうに子供がくるような時期じゃないんだ。空に夕日が顔を出す前に、村まではやくお帰り。」
 「・・・う~ん、少し探検したら帰るよ。」
 そういって、炭鉱夫たちの休むベッドのあるところへ駆けまわってダイブしようとした丁度そのときだ。なにか、おかしなものをかぶった人影が立ちすくんでいる・・・。


 次回は、洞窟内での暗い部分と明るい部分とをつくる範囲設定について書き込んでいきたいと思います。それが普通のやり方なのかはわかりませんが、いちおうの形になっているので良かったら拝見してください。

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