2016年8月25日木曜日
ストーリー2 奇妙な臭い
いつものようにマーシュは日課の真っ最中だ。
雑貨屋の庭にいるコッコ畑によく遊びに行く。にわとりのヒナたちにとっては兄弟のような男の子で、追いかけがいのある手頃な相手。
たまに、生みたてのタマゴを1つ2つポッケにしまうことくらい目をつむる親鳥。内心は、言いたいこともあるはずだが・・・
朝のしめった草がやわらかい。雑貨屋から今度は、武器や薬草などを取り扱うアイテム屋へと足をのばす。
ポチをつれての散策の道すがらだ。もうすでに店には、お客さんが来店していた。どこからきたのか、旅人らしい。
飼い猫は2匹いて、白いほうはご主人と品物の近くをいつものらりくらりしている。もう一匹は、奥さんが見えるところで気持ちよさそうに寝ているのだ。
ご主人がいつもの訪問者に、暗い声で話してきた。「やあ、マーシュ。・・・どうやら外は、危険な雲行きらしいよ?」
ことのいきさつはと言うと、村長のところに駆け込んできた炭鉱夫の1人と付き添ってきた傭兵とが伝えに来た話から始まった。
村からそこそこ離れている川沿いところにゴブリンの巣となっている山がある。ずいぶんと昔からだ。
どうやらその山から来たであろうゴブリンの一味が、鉱山の採掘現場を占拠したらしいのだ。
それも、おきてはならないことに炭鉱夫のうち数名がゴブリンの強要に対抗しようとして犠牲となったとの話しだ。
鉱山には、まだ幾人かの傭兵がいるはずだし、ドルネイから派遣された兵士もいる。とは言え村人は、すぐにギルドへの要請をしにいく人員を思案しだしていた。
マーシュは、たまにいく鉱山におきている出来事がいかに働き手と村の将来に影響するかなどということは理解できなかったが、冒険心に灯がともった少年のとる行動といえば知れたことだろう。
マーシュは、ポチをつれていそぎあしで鉱山へと向かうことにした。
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